2021年対馬市海ごみ年間漂着量
表1 年間漂着量の計算
今年度の年間漂着量は32,105㎥だった。
昨年度の年間漂着量は46,231m³だったので、14,000m³ほど漂着量は減少している。
表2 調査時期別回収量の過年度比較
表2とグラフ1を見ると秋季の回収量だけ増減が激しいことがわかる。
今年度は昨年度に比べて秋季の回収量が大幅に減っていて、これは今年大きな台風が無かったことが関係している。
注:2014年度の重量データは不明であるため、「-」と表示した。
注:表中の数値は四捨五入して計算しているため、表示した数値の計算結果と合計が一致しない場合がある。
表3とグラフ2を見ると、流木・灌木の増減が激しいことがわかる。対して流木以外の項目は年度によっての増減はそれほど大きくない。
このように流木の増減が激しい理由は、大きな台風が上陸するかしないかである。2019年には記録的な大きな台風が対馬に上陸して、50年に1度の大雨が降った。その影響で流木の量が極めて多くなっている。
このように流木の増減が漂着量に大きく関わっているが、流木は自然物で環境影響が少ないため、流木にばかり注目してしまうと肝心な人工物のデータに目がいかなくなってしまうので、流木と加工木を抜いたグラフを作った。
種類/年度 | 2014 | 2019 | 2020 | 2021 |
ペットボトル | 962 | 1,298 | 2,249 | 2,151 |
漁業用ブイ | 543 | 1,214 | 2,242 | 1,660 |
漁網・ロープ類 | 0 | 5,030 | 4,856 | 2,862 |
プラスチック類 | 4,461 | 5,633 | 5,232 | 5,144 |
発泡スチロール類 | 3,879 | 9,346 | 6,306 | 4,597 |
合計 | 9,845 | 22,521 | 20,886 | 16,415 |
表4を見ると今年度の人工物の漂着量は16,415㎥で、流木と加工木を入れたときの数値のちょうど半分くらいの数値になっている。
グラフ3を見ると、今年度最も多いのはプラスチック類で、昨年度は発泡スチロール類が最も多かった。
グラフ4から人工物の回収量の中でも、発泡スチロール類とプラスチック類の割合がどちらも全体の3割近くを占めているので、まずこの2項目の回収・処理を優先させて行っていくことで、対馬の海岸漂着物を削減することが期待できる。