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国や県の海ごみ対策
日本では、海洋環境の汚染問題となっている海ごみ対策に対応するため、2009(H21)年7月に「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」(略称: 海岸漂着物処理推進法)」が制定されました。
この法律を受け、長崎県では2010(H22)年10月に「長崎県海岸漂着物対策推進計画」(地域計画)を策定しました。この地域計画は、海岸漂着物対策を推進することで、海岸の良好な景観、多様な生態系の確保、生活衛生の向上、水産資源の保全など総合的な海岸の保全を図ることを目的としています。「対馬市海岸漂着物対策推進行動計画」は、これらの法律や計画に基づいて計画・記載されており、今後の活用が期待されています。
対馬市の海ごみ対策
海ごみ対策については、海ごみを作らない発生抑制対策が最も効果的ですが、海岸に流れ着いてしまった漂着ごみについては海岸の汚染防止のためや、マイクロプラスチックとなって回収不能となる前に、可能な限り早く回収して適切な処理を行うことが重要です。ただし、一人の力ではどうすることもできないため、市民・行政・県・国が力を合わせて実施して行く必要があります。市民と行政の関係では、対馬市に於いて平成29年より「対馬市海岸漂着物対策推進協議会」が再開され、平成27年3月に対馬市によって公表された「対馬市海岸漂着物対策推進行動計画」に沿って、適切な対応を図って行くための論議を通じて、より良い対策に取組むこととしています。
「対馬市海岸漂着物対策推進行動計画」に記載された主要課題と対策
主要課題 | 対策メニュー | 内容 | |
海岸漂着物の回収・処理体制 | 体制作り | 情報の共有 | 協議会の開催 |
中間支援組織に情報を集中・公開 | |||
適切な役割分担 | 対馬市海岸台帳に基づく海岸清掃の実施 | ||
主体別の対象海岸の設定 | |||
海岸清掃活動 | 通常時の海岸清掃 | ||
予算措置時の海岸漂着物の回収 | |||
災害等非常時の海岸漂着物の回収 | |||
海岸清掃活動に関わる民間への支援 | トン袋・手袋等の支給 | ||
回収ごみの処理(運搬・処分) | |||
海岸漂着物対策に関わる行動計画 | 回収・処理 | 海岸清掃計画 | 年間計画、数次計画の策定と実施 |
海岸漂着物の回収・処理に関わる経費削減 | 島内処理の実施・島外処理費削減 | ||
海岸漂着物の回収・処理に関わる財源確保 | 補助金の利用促進のための申請手続きのマニュアル化 | ||
その他の財源の確保 | |||
漂着ごみに関わる調査 | モニタリング調査の継続実施 | ||
漂着ごみの有効利用 |
利用試験の継続、費用対効果・実現性等の検討と実践 |
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発生抑制対策 | 普及啓発 | 活動方針・活動計画策定と実践 | 時期・対象等を含む活動計画と実践 |
発生抑制対策 | 対馬島内での発生抑制対策 |
ポイ捨て・不法投棄の対策およびそれらの防止の呼び掛け |
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韓国等との協働の進展 | 情報の共有、対策の立案、県・国との連携 | ||
他の海ごみ | 漂流ごみ・海底ごみ対策 | 回収・処理方法の検討と実践 |
対馬市が実施している主な海岸漂着物対策事業
海岸漂着物の回収・処理体制
- 「対馬市海岸漂着物対策推進協議会」の開催
- 「中間支援組織」の財政的支援
- 「対馬市海岸漂着物回収事業」の実施
- 「日韓市民ビーチクリーンアップ」の実施
- 「海岸漂着ごみ(廃発泡スチロール)油化施設」の稼働
海岸漂着物に関わる行動計画
- 「対馬市海岸漂着物対策推進行動計画」の策定
- 「対馬市海岸漂着物モニタリング調査」の実施
発生抑制対策
- 「漂着物のトランクミュージアム🄬対馬版」による普及啓発
- 「対馬海ごみ情報センター」による発生抑制・普及啓発
- 「日韓交流海ごみワークショップIN釜山」の実施